
梅田望夫さんといったら、2年程前のベストセラー
『ウェブ進化論』を読まれた方が多いと思う。

1994年に34歳でシリコンバレーへ移住した梅田氏は
97年コンサルティング会社をシリコンバレーで起業、
更に2000年にはベンチャーキャピタルを設立している。
05年より㈱はてな取締役。
今ではIT分野の知的リーダーとして、
若い世代から圧倒的な支持を得る梅田氏だが、
『シリコンバレー精神』は96年から2000年当時に描かれたものである。
「天気のいい田舎町」がインターネット時代の到来とともに
世界経済に大きな影響を及ぼす存在となり、
その後のネットバブル崩壊で苦しみ、そこから立ち直ろうと
必死の努力をするまでの、激動のシリコンバレーの5年間が
実体験と共にリアルに綴られている。
●僕の成功の尺度は、『これは意味があることだなぁ』と
感じられることをいつもやっていられること。
そしてそれが『楽しいこと』だったらもう最高だ。
だから僕にとってLinuxは最高なんだ。
(Linux創始者リーナス・トーバルズ)●「大好きなプログラミングという作業を、朝から晩まで誰からも
邪魔されずにやっていたい」と心から思っている人たちからしか、
素晴らしいソフトウェアは生まれない-こうした人々のことを
シリコンバレーではナードと呼ぶ。●自分一人の能力でこなし得る仕事量を上限に仕事を
断ってしまうのが「単なる独立」である。一方、そこに
需要があるのだから、しっかりした共有体制を整備し、
成長できる構造を作ろうとするのが起業である。●「マドル・スルー」(muddle through)
文字通りには「泥を抜ける」だが「先行きが見えない中、
手探りで困難に立ち向かう」の意。
アングロサクソンには「マドル・スルー」の状態自体を
プロセスとして楽しむ骨太の行動文化があり、
その文化の存在こそが「霧の立ちこめた時代」にアメリカや
イギリスが活力を保持している所以だったとのこと。●「シリコンバレー精神」とは、人種や移民に対する底抜けの
オープン性、競争社会の実力主義、
アンチ・エスタブリッシュメント的気分、開拓者(フロンティア)精神、
技術への信頼に根ざしたオプティミズム(楽天主義)、
果敢な行動主義といった諸要素が交じり合った空気の中で、
未来を創造するために執拗に何かをし続ける
「狂気にも近い営み」を、面白がり楽しむ心の在り様のことである。●未来を創造するための「狂気にも近い営み」とは、
「目標に到達するための苦難」といったまじめな精神では
片付けられないほどタフなプロセスである。
(中略)
技術開発であれ事業創造であれ、自分と相性の良い
一つの領域を突き詰めていった先に、対象を
「好きで好きで仕方ない」と感じる境地がある。
その境地に達しない限り、「狂気にも誓い営み」は長続きしない。
「中途半端に何かが好き」というのとは天地ほどにも違う
「好きということのすさまじさ」とでも言おうか。
心が楽しんでいる状態ゆえに生まれる強さだけが、
未来を創造できる。●「テネーシャスネス」(teneciousness)
「もうとうに諦めたかと思ったら、アイツだけやり続けていた。
変な奴だなぁ。本当にあいつのテネーシャスネスには驚くよ」
というような使い方をするが、
「絶対にギブアップしない執拗さ」 を意味する言葉だ。●シリコンバレーには、「連続起業家」(シリアル・アントレプレナー)
という敬称で呼ばれる人たちがいる。一つの会社を創造するだけでは
飽き足らず、失敗しても成功しても、次から次への会社を興しては
育てるというプロセス自体を楽しむ人たちのことである。●限られた情報と限られた能力で、限られた時間内に拙いながらも
何かを判断しつづけ、その判断に基づいてリスクをとって行動する。
行動することで新しい情報が生まれる。行動する者同士で
それらの情報が連鎖し、未来が創造される。行動する者がいなければ
生まれなかったはずの未来である。
未来志向の行動の連鎖を引き起こす核となる精神。
それが「シリコンバレー精神」である。
「マドル・スルー」と「テネーシャスネス」
なんて素敵な言葉だろう・・・
(私の前世はアングロサクソンかも)
アップルの創始者であるスティーブ・ジョブズは、
あの有名なスタンフォード大学卒業式での祝賀スピーチの中で、
「The only way to do greate work is to love what you do」
立派な仕事をなし遂げるための唯一の方法は、
今取り組んでいる仕事を愛することだ
と語っている。
更に、「Keep looking,and don't settle」
好きになれる仕事がまだ見つからないというなら、探し続けよう。
梅田氏が引用しているのはここまでだが、
実は私もこの言葉が大好きで、書き写して自分の部屋に飾ってある。
ジョブズのこのスピーチは以下のように続く。
このことは、自分の仕事にも愛する人にも同じようにあてはまる。
愛に結びつくあらゆるものの場合と同じように、
それをみつけたときはそれとわかるものだ。
そして、どんなに立派な人間関係でもそうであるように、
年月が流れるにつれて、それは次第に好ましいものになっていく。
だから、見つかるまで探し続けよう。
あきらめないことだ。
愛する仕事も愛する人も、それをみつけたときはそれとわかる・・・
ああ、テネーシャスネスな人生って素敵だ。。
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