【書評103】採用の超プロが教える伸ばす社長つぶす社長

株式会社ワイキューブ代表 安田佳生著

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人材は、育たない


ワイキューブは、人材採用コンサルで
大きく業績を伸ばした企業。


弊社代表がワイキューブの創業メンバーだったこともあって、
馴染み深い企業だ。


安田社長の著書は「千円札は拾うな」もベストセラーになったが、
軽快な切り口で合理的に本質を説き、
経営者本にありがちな根性論的なところがないので
読んでいると爽快な気分になる。


例えばこんなふうに・・・

まず大前提として、認めなくてはならない厳しい事実がある。

人材は、育たない。

それなのになぜ経営者は、使えない人材ばかりを
研修に行かせたがるのだろうか。
研修から帰ってきたら見違えるくらいできる人材に
生まれ変わっているなどと、本当は信じてもいないくせに。

(中略)

人材も料理と同じで素材がいちばん大事だということである。

(中略)育つかどうかは採用した段階で100パーセント決まっている。

なぜならば、頭のよさや、リーダーシップ、仕事に取り組む意欲などは
入社後の教育では上げようがないからである。

ところが、どういうわけか日本の経営者は「人材は育てるもの」という
愛情論や、「努力すれば誰でもできるようになる」という根性論を
すぐに持ち出したがる。

人が育たないのは、なにも経営者だけの責任ではない。
育たない人材は誰がどうやっても育ちはしないのだ。
(中略)
だから経営者は、できない社員の教育に力を入れる前に、
できる人材の採用にもっと力を入れるべきなのである。


確かに、教育や経験で仕事のスキルは積めても
個人がもともと持っているやる気や意欲といった「エネルギーの高さ」
簡単には変えられない。


安田社長はこの「個人ごとのエネルギーの高さの違い」を
EQ(心の知能指数)」になぞらえて、「WQ(will quotient)」と表現している。


私の経験でも、
学びたいと思っていない人間に幾ら精魂込めて教えを説いても
逆にお互いの価値観の違いが露呈され
徒労に終わることがあるのは知っている。


ただ・・・


所属する組織や人との出会いによって、
「エネルギーの高さ」は変化しうるものだとやっぱり私は思うのだ。


私自身、今だから言えるが、20代は本当に「ひどい」人材だった(笑)。
遊び呆けた女子大生活から何の目標もなく親の勧める会社のOLになって、
アフター5の飲み会と、週末のスノボやサーフィンが生き甲斐だった。


でも、ある一人の上司との出会いが
それまでの私の生き方を変えた。
そこから、私の「エネルギーの高さ」が変わった。


だから私は、実体験として、
人は良質な環境、つまり組織風土や他者からの影響で
エネルギー量そのものが変化しうるものであることを信じたい。


働くことに目的はない


この著書の中で最も強く共感したのは、
働くことの目的について触れた以下の箇所。

働くことに目的などない。

だいたい、人間は生きていく目的すらはっきりしていない。

宗教的、哲学的なことを言えばいろいろあるだろうが、
そうしたものは誰もが納得できるものではない。
それ以外のところに目的を見いだそうとすると、
「より長生きして、よりよい遺伝子を残す」とい生物学的な
目的になってしまう。
だが、そこに自分の価値を見いだすのは不可能だ。

(中略)

しかし、われわれは目的を必要としている。

では「どうすればいいのか」という問いに戻ると、
答えは「目的は自分で決める」ということになるだろう。
目的など最初からないのだから、自分で決めるしかないのだ。

日本は豊かになり、人は、地位や名誉や金といった「ギラギラ」したものから、
社会や人の役に立つという「キラキラ」したものを求めるようになった。
「キラキラ」したものを求めるのは贅沢だ、と言う人もいるが、
私はそうは思わない。
こうした変化はとても素敵なことだと思う。

ただ、私が言いたいのは、その「キラキラ」したものは、
「自分で決めないかぎり、どこを探しても見つからないということだ。

目的は、自分のために自分で決めるもの。
ほかでもない自分自身のために、
人生をどうよりよくできるのかというのがテーマとなる。

会社を伸ばしていくことは、
社員一人ひとりの人生を充実させることと同義だ。



人生の目的は探すのではなく、自分で決めるもの・・・

深い深い言葉だ。

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